2023年の展望

機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)投資サービスを提供する米Coinbase Institutionalは20日、2023年の展望に関するレポートを公開した。

「2023 Crypto Market Outlook」と題されたレポートでCoinbaseは、22年に起きたテラ(LUNA)ショックなどのデレバレッジ(過剰債務の削減)イベントや、FTXに代表される破綻した事業者に流動性が拘束されている影響で、「少なくともさらに数か月、弱気サイクルが継続する可能性がある」と指摘。

そうした状況下では、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)のような、エコシステムの成熟度、相対的に高い市場流動性、持続性のあるトークノミクスなどに裏付けられる「より質の高いトークン」にシフトする、と説明した。

ビットコイン

2022年の市場全体が不安定な中で、ビットコインは牽引力を維持し続けている。ビットコインの長期保有者の割合は85%を越えており、ネットワークは1日あたり平均255,000件のトランザクションを処理し続けた。

出典:Coinbase

価格の面では、現状でビットコイン保有者の中で含み損を抱えているアドレスの割合が、過去の弱気市場とBTCパフォーマンスのターニングポイントとして機能した50%に近づいている。2011年11月、2015年1月、2019年2月にかけて、この指標は平均約53%で折り返してきた。

ビットコインに関して2023年に注目すべきイベントの一つとして指摘されているのが約14〜15万BTCを保有しているとされるマウントゴックス(Mt.Gox)の動向だ。22年10月の再生計画担当委員会の通知では、債権者による弁済方法の登録期限を23年1月10日とし、それ以降の返済開始が想定されている。

イーサリアム

レポートはまた、分散型で資金を自己管理でき、ブロックチェーン上でデータが透過的なDEX(分散型取引所)に、ユーザーが移行する動きが23年に加速すると予想している。

22年には、仮想通貨融資企業Celsius NetworkやFTXといった事業者が顧客資産を流用してきた実態が明るみになり、CeFi(中央集権型金融)やCeDeFi(CeFiとDeFiの組み合わせ)への信頼が失墜した背景がある。

また、DEXを含むDeFiエコシステムの利用量の面で、イーサリアムは他のレイヤー1(ソラナ、アバランチ、ファントムなど)よりも突出していると指摘されている。

実際、イーサリアムのベースレイヤーネットワークにおける1日の平均トランザクションは2021年の127万件から2022年(11月末まで)には113万件に減少しているが、大きな影響はない。他のレイヤー1で減少幅が大きいのとは対照的だ。

出典:Coinbase

上図では、BNBチェーンの利用量が21年第4四半期と22年第1四半期に大幅に減少し、最近にイーサリアムのL2(レイヤー2)スケーリングソリューションである「Arbitrum」と「Optimism」が急速に成長したことを示している。

イーサリアムは23年3月(目安)に「Shanghai」アップデートを控えている。Coinbaseは、ステーキング報酬の出金機能が実装されることで、ETHのステーキング需要がさらに高まると推測する。

市場で懸念される売却圧力については、1エポック(間隔)あたりの出金制限により抑制されるとした。イーサリアムには、執筆時点に約47万8,000台のバリデータが稼働しているが、出金可能となるのは1日あたり最大1,350バリデーターに制限される。

ステーブルコインの見通し

Coinbaseは23年にかけて、KYC(顧客確認)やマネーロンダリング対策(AML/CFT)を導入する「許可型DeFi」や、債券・不動産・その他の伝統的な資産など「実世界資産(RWA)のトークン化」の分野が発展を遂げると指摘。いずれも、機関投資家の参入を促すテーマであり、その中心にはステーブルコインがある。

ステーブルコインDAIを米国債に投資するMakerDAOや、許可型プラットフォームを設置した分散型融資プロトコルAaveの事例を示した。

11月には、米金融大手JPモルガン・チェースとSBIデジタルアセットホールディングスが、パブリックブロックチェーンを利用した最初のDeFi(分散型金融)取引を実行したことを発表。イーサリアムのスケーリングソリューション「ポリゴン(MATIC)」上に構築されたAave(修正版)が使用された。

CoinbaseはRWAがNFT(非代替性トークン)の投機的側面以外の発展の鍵を握るとも指摘している。不動産や現物、金融商品など、実世界の資産をオンチェーンで証明するためにNFTが使われる事例が増えている。

コレクタブルやアートNFTの取引量は減少しているが、既にNFTのユースケースは多様化している。デジタル・アイデンティティ、デジタル・フットプリント、ドメイン名などインフラの構成要素となり、企業が様々な形で使用する可能性がある。レポートは特に、NFTを導入する従来のゲーム企業が、Web3(分散型ウェブ)の新興プロジェクトよりも支持を集めることになると予測している。

参考資料:https://coinpost.jp/?p=418902 

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