米議会議事堂襲撃事件から約1週間。事件に関係したオルト・ライト(オルタナ右翼)グループと複数の人物は、1カ月前に約52万2000ドル(約5400万円)相当の寄付をビットコインで受け取っていた。分析企業のチェイナリシス(Chainalysis)が明らかにした。

チェイナリシスは1月14日、フランス人ブロガー(名前は明らかにされていない)が12月8日、22のウォレットに28.15ビットコインを送金したとブログに投稿した。

襲撃事件のライブ配信を行い、ストリーミングサイトDLiveの利用を禁止された極右インターネット・パーソナリティのニック・フエンテス(Nick Fuentes)が最も多くの寄付、13.5ビットコイン(約2600万円)を受け取った。

1月6日の襲撃事件の際、フエンテスが議事堂に入った証拠はない。しかし、その前に行われた集会には参加し、議事堂の敷地内で目撃され、数週間にわたってトランプ大統領の「Stop the Steal」をアピールしていたとチェイナリシスは述べた。

同社によると、残りのお金は極右イデオロギーを掲げる複数のアカウントに送られたようだ。ネオナチ・ブログのDaily Stormerは総額の3%、反移民グループのVDAREは3.3%、白人ナショナリストのパトリック・ケーシー(Patrick Casey)は5%を受け取ったと、米ヤフーニュースは報じている。

寄付の人物はすでに死亡か

こうした資金の動きは、チェイナリシスが追跡している国内の過激派グループにとって、過去最大の暗号資産による寄付となった。

チェイナリシスは、プライバシーへの懸念と進行中の法手続きのため、寄付を行った人物の名前を明らかにしていないが、フランス人ブロガーで、すでに死亡している可能性があると述べている。寄付を行った後にオンラインに投稿された遺書と思われるものの存在を指摘した。

その人物は、西洋文明の「衰退」と「祖先と遺産の拒否」を嘆いており、 その言葉は白人ナショナリストによく見られるレトリックと一致する。「私のささやかな財産を特定の目的と人々に遺す」と書いていた。

チェイナリシスは、寄付と事件の直接の関連性を否定したが、「時期は疑惑を呼んでいる」と書いている。

「主流の決済プラットフォームが過激なグループや人物を排除しているなか、寄付の手法として、彼らは暗号資産を利用する可能性がある」(チェイナリシス)

またニューヨーク・タイムズが14日に伝えたところによると、当局は寄付についての調査を進めているという。チェイナリシスは、お金の動きについて「すべての適切な政府機関に通知した」とcoindeskに述べた。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/95422/ 

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