暗号資産(仮想通貨)マイニングにおける資本集約的なプロセスを考えた時、多くの人は世界のハッシュパワー(マイニングに使われる演算能力)の約65%が存在する中国を思い浮かべるだろう。

しかし、アメリカのハッシュパワーは大幅な増加の時を迎えているようだ。

暗号資産のマイニングは、「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」アルゴリズムを処理してビットコインを獲得するために、データセンターに数多くの専用コンピューターを設置して行う。北米でいつの間にか盛んになり、新たな重要インフラになりつつある。

アメリカとカナダのエネルギーは、地球上で最も安価というわけではないが、転用可能な未利用電力やエネルギーインフラが数多く存在する。また、少なくとも23社の暗号資産マイニング会社が上場し、その大半がアメリカとカナダを拠点にしている。

アメリカの優位性

​「アメリカの株式市場はマイニング会社にとって最も有利な上場場所だ」とマイニング会社、ルクソール・テクノロジーズ(Luxor Technologies)の共同創業者兼CEO、イーサン・ベラ(Ethan Vera)氏は述べる。

「マイニング会社は、市場を通じた資金調達が可能。事業拡大を目指す公開企業にとって、非常に堅実な資金調達方法となる。外国企業は資金調達手段が限られ、株式による資金調達は比較的困難だ」

代表的な事例がナスダックに上場しているマラソン・パテント・グループ(Marathon Patent Group)だ。

同社は今年はじめ、ビットメイン(Bitmain)の最新鋭モデル「アントマイナーS19 Pro」に5000万ドル(約52億円)を投じた。また、メリーランド州で電力供給事業を運営するベオウルフ・エネルギー(Beowulf Energy)とのベンチャー事業の一環として、モンタナ州に105メガワット(MW)のマイニング施設を建設している。

「上場会社として、我々が行うことすべてに透明性がある」とマラソンのメリック・オカモト(Merrick Okamoto)CEOは11月24日、ビットメインの「マイニング投資サミット2020 (Mining and Investment Summit 2020)」で語った。

「我々が手掛けていることを皆に知らせることはデメリットもあるが、メリットもある。資本市場へのユニークなアクセスが可能になる。我々は昨年、2回の資金調達を行った」

マイニングの分散化

中国はこれまで安価な労働力と、ダムや水力発電インフへの過剰投資により、暗号資産マイニングにおいて優位に立ってきたと言える。しかし、ロンドン証券取引所に上場しているアルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain)のピーター・ウォール(Peter Wall)CEOによると、アメリカは多角化を目指す中国企業の注目を集め始めているという。

​「ここ数カ月、中国のマイナーは北米にやってきては、マイニング業界の人たちと情報交換を行っている。何年も前から話題になっていたが、今はトレンドになっているようだ。マイナーは常に安定した環境を求めており、北米の安定性は魅力的だ。また北米の電力コストやホスティングコストには競争力があり、ときに中国よりも安価なことすらある」

地政学的に明らかなことは、マイニング分野でアメリカは最終的に中国に対抗する可能性があるということだ。しかし、この状況が地理的な拡大を意味するものであれ、マイニング会社の株式を一般に販売することを意味するものであれ、マイニング関係者はむしろ、より大きな分散化の観点から捉えているようだ。

「多くが地政学的な見方を好むが、目標はアメリカがビットコインマイニングを支配することではない。そんなことにはならないだろう。マイニングを世界中に分散させることが重要だ」と暗号資産マイニング投資会社、ファウンドリィ(Foundry)のマイク・コリヤー(Mike Colyer)CEOは話す。

無慈悲なアルゴリズム

コリヤーCEOは、アメリカには強力な市場があると考えている。​上場している大手マイニング会社の成長に加えて、ヘッジファンドやインフラを所有するプライベート・エクイティ会社などが資金の出し手になっている。

「アメリカでは電力自由化が進んでおり、プライベート・エクイティやヘッジファンドが多くの発電設備を所有している。ビットコインマイニングで大きな収益を得ることができることを認識している。それが発電効率の向上にもつながる」

ビットコインのマイニングには膨大なエネルギーを必要とするため、批判を受けることも珍しくない。しかし、エネルギー・イノベーションの最前線であるという事実は見過ごされることが多い。

コリヤーCEOはビットコインのマイニング・アルゴリズムを「無慈悲」と呼んでいる。常に可能な限りの低コストを実現し、一般的には水力発電のような再生可能エネルギーを求めているからだ。中国・四川省の雨季が終われば、最大4万台ものマイニング装置が安価な電力を求めて移動する。

​また、西テキサスを拠点とし、ピーター・ティール(Peter Thiel)氏が支援するレイヤーワン(Layer 1)も再生可能エネルギーの利用推進を目指している。同社は風力発電によるマイニング事業を運営している。

発電+マイニング

投資とエネルギー・イノベーションの組み合わせを実証しているのが、グリーニッジ・ジェネレーション(Greenidge Generation)だ。同社はニューヨーク州北部にある天然ガスを主燃料にする発電所だが、オーナーである未公開企業のアトラス・ホールディングス(Atlas Holdings)によって今年はじめに暗号資産のマイニング施設にもなった。

グリーニッジは、ビットコインマイニングを送電網の安定性向上に利用できるハイブリッド施設というわけだ。

「発電能力の25%はマイニングに、残り電力は必要に応じて送電網に送り込む。ビットコインマイニングを開始する以前、需要の高い時期には発電機を起動して電力を供給するまで12時間かかった。今では1時間以内に100メガワットの電力を供給できる。つまり、ビットコインのマイニングのみならず、送電網にもさらなる安定性を提供している」と最高財務責任者のティム・レイニー(Tim Rainey)氏はビットメインのマイニング投資サミットで語った。

アメリカとカナダは現在、世界の暗号資産マイニングのハッシュパワーの15%〜20%を占めており、ロシア、カザフスタン、北欧諸国が続いている。北米には50メガワット以上のマイニング施設がおよそ15施設存在していると、アメリカ最大の暗号資産マイニング事業者、コア・サイエンティフィック(Core Scientific)のタラス・クリク(Taras Kulyk)氏は述べる。

怪しげなビジネスではない

​クリク氏は、北米は今、規制の確実性と、1970年から80年にかけて建設された膨大な施設のおかげで、本格的な成長の間際にあると話す。暗号資産マイニングは怪しげなビジネスではないという認識が広がり始めており、アメリカは投資先として有利な位置にある。

「アメリカでは運用コストが少し高くなる。だがインフラのために1億ドル、場合によっては10億ドルを投資する時には、安定性が求められる」

政府の支援も有効だろうとクリク氏は言う。そのために、コア・サイエンティフィックは政策文書を作成し、政府にアピールするためにデジタル商工会議所(Chamber of Digital Commerce)と連携を深めていく方針だ。

​「政府に対して、デジタル資産マイニングは悪いものではないこと、そして、実行するための正しい方法があることを理解してもらいたい。我々は暗号資産マイニングの事業に積極的だが、“環境保護主義者”でもある。正しい方法は、再生可能エネルギーをいかに大規模に利用するかだ。使えば使うほど、環境負荷は小さくなる」とクリク氏は述べた。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/89918/ 

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