新型コロナウイルスのパンデミックによる都市封鎖や外出自粛を背景に、世界の株式市場では目まぐるしい値動きが続く。その中、ネット証券で口座を開いて資産運用を始めようとする若い世代が増えているという。

20代や30代のミレニアル世代や、2000年~2010年生まれでデジタルネイティブのジェネレーションZが、自分の未来を描いて資産運用を行う上で、知っておくべき投資の基本ルールというものはあるのか?JPモルガン・アセット・マネジメントでグローバルマーケット・ストラテジストを務める重見吉徳氏に聞いた。

ルール1:アメリカの景気後退は平均11カ月

出所:J.P.モルガン・アセット・マネジメント 「Guide to the Markets」2020年第2四半期版

世界経済は過去70年間、景気後退をいく度も経験してきた。例えば、2008年~2009年に「リーマンショック」で知られる世界金融危機が起き、2001年~2002年にはアメリカのITバブル崩壊が世界経済の失速に繋がった。すべての景気後退期には当然、失業者の数は急増する。

↑の図で、水色の帯は景気後退。紫色のグラフはアメリカの失業者数。緑色のグラフは米S&P 500の推移。

この間に起きた景気後退の期間は、アメリカに限っては平均約11カ月。そして、データが示す重要な1つとして、株価はこの数十年の間、下落幅以上に上昇幅が大きく、長期では右肩上がりとなった。

「過去、平均11カ月におよぶ景気後退後の世界で、底値をつけた株価は反発に転じた。コストをかけて、近視眼的な売却をしたり、再度のパニック買いは必ずしも必要な行動とは言えないだろう」

ルール2:恐怖心は分散すれば静まる

出所:J.P.モルガン・アセット・マネジメント 「Guide to the Markets」2020年第2四半期版

資産価格の下落の大きさは、投資家が感じる恐怖心の大きさであると、重見氏は言う。この恐怖心を和らげる方法の1つが、分散投資。資産を株式だけで保有するよりも、株式と国債に分散投資することで、資産価値の下落はある程度、抑制できる。

↑の図は、薄い緑色のグラフが、先進国の株式100%保有の場合の価格推移。濃い緑色は株式50%・国債50%を保有した場合。2007年6月を100としている。

しかし、「何らかの資産の組み合わせにより、下落のリスクが全くないポートフォリオを作ることができたとすれば、その期待リターンは預金金利と同等になるだろう。リスクを取るからこそ、長期でその報酬としてのリターンが期待される」

また、日本の株式に偏重するのではなく、米国や新興国を含めたグローバルな視点で株式や債券などの資金投下先を選ぶべきだと、重見氏は加える。初めから膨大な数の個別銘柄から投資先を選別するより、まずは投資信託を中心とする自分のポートフォリオを作っていくことが、資産運用のスタートには得策ではないかと話す。

ルール3:時間の分散が高値づかみを防ぐ

出所:J.P.モルガン・アセット・マネジメント 「Guide to the Markets」2020年第2四半期版

上の図は、過去30年の日経平均株価の推移だ。バブル経済のバブルが弾け、日本経済は1990年頃から「失われた20年」と呼ばれる低成長が続く。グラフは、日経平均が2013年まで下方トレンドに乗り続けたことが分かる。

例えば、史上最高値をつけたバブル経済絶頂期の1989年に、日経平均株価に一括投資していた場合、その資産価値は現時点で回復できていない。しかし、同時期から毎月積み立て投資をしていると、資産価値は積み立て投資額を上回る。

↑の図では、毎月1万円を積み立て投資した場合の投資額を赤い線で、資産価値を水色の山で示している。

ただし、「積み立てが進めば進むほど、一度の大きな下落で、資産価値が大きく減少することになる。資金を取り崩すタイミングが近づいたり、資産価値が目標の金額に届いた場合、比較的安全な資産に移し替えることも検討に値する」

ルール4:ニュースに左右されない

JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳ストラテジスト(JPモルガン提供)

世界経済の大きな動きをニュースを通じて把握することは、株式や債券投資などの資産運用には必要だが、日々のニュースが頻繁に資産運用の本来の目的を大きく変えるようなことになってはいけない。

「長期で資産運用を行うなかで、相場が下がった時に、どれだけ冷静に安定的な投資を続けられるかが大切だ。日々のニュースで刹那に動き、未来のリターンを逸することがないようにして頂きたい」

2020年3月、米大手航空会社の株価は急落。2カ月後には、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、保有する航空会社株を売却したと報じられた。国内でも日本航空の株価は、2018年に4000円を上回るレベルに推移していたが、今年3月には2000円を割った。

一方、コロナ治療薬としての期待が高まる、抗ウイルス薬を開発するギリアド・サイエンシズという名の企業の株価が上昇トレンドに乗り、投資家は群がった。

多くの人が資産を築くために必要な時間は比較的長い。投資に正しい手法というものはないが、金融の歴史の中にはまだまだ多くのヒントが隠れていそうだ。

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/45873/ 

参考資料:https://jp.cointelegraph.com/news/how-many-btc-can-you-call-a-bitcoin-whale 

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