膨大な資金が世界中で止まることなく流れる為替市場。ドル、ユーロ、円などの為替取引を行う大手銀行や商社、自動車メーカーにとって、相場の変動は収益を大きく左右する。5分、15分、30分先の為替相場を予測できるサービスはないのか?

為替相場の変動リスクを抱える大手国内企業が、ここ数年で導入を始めている予測サービスがある。スタートアップのアルパカ・ジャパンが、ディープラーニング(深層学習)を活用して開発したものだ。今では国内でメガバンクや保険会社、商社などを中心に20社近くが利用しているという。

アルパカ・ジャパンは2020年、国内事業をさらに拡大しながら、シンガポールを中心とするアジア諸国と米国の金融機関への販売・リサーチ活動を強化する。東京・千代田区にあるアルパカ・ジャパンのオフィスを訪ね、チーフ・プロダクト・オフィサー(CPO)を務める北山朝也氏に話を聞いた。

MBOでアルパカ・ジャパンを設立

2019年11月、アルパカ・ジャパンのオフィスで取材に答える同社CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)の北山朝也氏。

アルパカは2015年に北カリフォルニアのサンマテオ市で生まれたスタートアップ。社名はAlpacaDB, Inc.。為替などの取引で、AI(人工知能)と独自のデータベースで市場予測を可能にする技術の開発を進めてきた。その後、2017年に日本の経営陣と従業員によるMBO(マネジメント・バイアウト)を実施し、アルパカ・ジャパンとして日本を拠点に独立し、事業の拡大ペースを速めて今に至っている。

AlpacaDBは直近で、米大手ベンチャーキャピタルのスパーク・キャピタル(Spark Capital)がリード・インベスターとして参画し、VC界やフィンテック業界からの注目を集めた。また、アルパカ・ジャパンも昨年9月に、MBO後初のシリーズAラウンドの調達を三菱UFJ銀行を中心に実施しており、日米共に独立した資金調達に成功している。

アルパカ・ジャパンの相場予測の開発のきっかけは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との出会いだったと、北山氏は言う。アルパカ・ジャパンは2016年に、MUFGが主催するスタートアップのアクセラレータ・プログラムに参加し、準グランプリを獲得。

データベース基盤を1年で作り上げる

アルパカ・ジャパンは当初、ローソク足チャートを無数にデータベース化して、AIで画像認識させた相場予測手法のアプローチを進めた。(写真:Shutterstock)

その後、MUFG傘下の「三菱UFJ銀行と一緒に何かできないかという議論が始まり、為替の相場予測をアルパカのAIとビッグデータ技術を使って一緒にやろうとなった」と北山氏。

相場の始値、高値、安値、終値を一本の棒で生成したローソク足チャートを無数にデータベース化して、AIで画像認識させて相場を予測することはできないか?アルパカは当初、このアプローチで研究を始めたが、商品化できる予測サービスには至らないと判断。

ならば、膨大な為替取引におけるBid(買い、需要)とAsk(売り、供給)のバランスの歪みを基にしたら、10分、15分、30分先の未来の相場を予測できるのではないか。アルパカはそれをAIで高速処理するためのデータベース基盤「Marketstore」を作り上げる。

「通常、ディープラーニングのテストを行うGPU(画像処理装置)は、2、3時間待たないとテスト結果が出てこない。一般的な企業であれば、1日に多くて2、3回の実験で終わらせるけど、僕たちはこれを1日で7回行い、CTO(最高技術責任者)と2人で1年間続けた。働き方改革が進む今の社会では完全にNGだけど、挑戦したい強い思いが溢れていたから、正月も働いていました(笑)」(北山氏)

金融、事業会社にとっては「目から鱗」

一度に多額の為替取引を行う金融機関や大手企業にとっては、相場が仮に数銭違えば、数百億円規模の取引であれば大きな差が出る、と話す北山氏。

現在、アルパカ・ジャパンの為替相場予測のサービスでは、5分や15分、30分後に相場がある特定幅の上下をすると予測すると、コンピュータ・モニターまたはスマートフォン端末にはその上昇予測または下落予測を知らせる設計が施されている。

「個人のデイトレーダーにとっては、1、2時間先の相場を予測できないと使ってくれないだろう」と北山氏は話すが、一度に多額の為替取引を行う金融機関や大手企業にとっては、相場が仮に数銭違えば、数百億円規模の取引であれば大きな差が出る。B-to-Bの顧客企業にとっては、目から鱗が落ちる存在と言えるだろう。

アルパカ・ジャパンは既に海外市場でのリサーチ活動を始めているが、「まずはアジアや米国の金融機関との協業も積極的に進めていきたい」と北山氏。

株、債券の相場予測は可能か?

アルパカ・ジャパンのオフィスで見つけたアルパカのぬいぐるみと同社のスティッカー。

為替に限らず、株式や他のアセットクラスにおける相場予測は可能なのか?

「当然、将来的には全てのアセットクラスを網羅していきたい」と北山氏は野心的だ。しかし、超えなければ実現できない壁がある。

「10分先の相場を予測するのと違って、長期予測をすることは次元の違う世界。データを解析して予測モデルを作っても、政治的リスクのカテゴリーに入るような突発的な市場の変化・レジームチェンジのスピードの方が支配的なのが現実だ」と北山氏。

北山氏は慶應大学を卒業後、ソニーに入社。約10年間にわたり「PlayStation」の開発に携わってきた。「さらにチャレンジをしたい。AIは必ず多くのものを変える」と考え、2015年にアルパカに加わった。

AIとビッグデータが未来の相場を予測できれば、人の思考・知見を基に行ってきた企業のコーポレート・アクションは大きく変わる。多くの企業は損失を回避できたり、最小限に抑えることができる。

現在、アルパカ・ジャパンには、40名超が働いている。その5割がデータ・サイエンティストとデータ・エンジニアだ。金融市場予測における異次元の世界の扉を開けようと、急ピッチに開発を進めている。 

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/28514/ 

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