国際通貨基金(IMF)が新しく発表した報告書は、デジタルマネーや法定通貨にペッグされた仮想通貨が普及が進むにつれ、現金や銀行預金が取り残される可能性を示唆する。

IMFが2019年7月15日(現地時間)に発表した報告書「デジタルマネーの台頭(The Rise of Digital Money)」は、テクノロジー企業がいかに大手銀行やクレジットカード会社との競争を強めているかを論じている。

著者は序論で次のように述べている。

「デジタル形態のマネーは、消費者の財布の中、そして政策担当者たちの意識の中で存在感を増しつつある。現金や銀行預金は、いわゆる電子マネーと競争している。電子マネーとは、ユーロやドルといった通貨建てで表示され、それらの通貨にペッグされている、電子的に保存された貨幣価値」

最終的に、現金や銀行預金はこれら新しい形態の価値の移転によって「厳しい競争に直面し、凌駕される可能性すら存在する」と、報告書は警告している。

人気を増しつつある、ステーブルコインなどの形態の電子マネーは「決済手段としてより便利かもしれない」が、その価値の安定性に関して、著者たちは疑問を呈している。「結局のところ、民間の投資ファンドが額面価格での買い戻しを保証しているのと経済的には似たようなものである。10ユーロを入れたら、10ユーロが出てこなければならない。発行者はこの約束を履行できる状態にいなくてはならない」と、著者は述べる。

銀行は、より良いサービスや似たような電子マネー商品を提供し、そのような新興の決済手段に反撃できるはずだが、政策担当者たちは銀行業界にある程度のディスラプション(創造的破壊)が起きる可能性を覚悟するべきだ、と報告書は続けた。しかし、銀行というものはおそらく存在し続けるだろう。これらの新たな決済手段を提供する企業自身が銀行となり、データ面での強みを活かして的を絞った信用貸しを行う可能性もある。

報告書は、「iマネー」を含む、さまざまな種類の新しい決済メカニズムを取り上げている。iマネーとは、「非常に重要な1つの特徴を除けば、eマネーと同じ。その重要な特徴とは、通貨に償還する価値が変動する点だ。したがって、これは、株式型の商品だ」

iマネーの一例として報告書は、法定通貨や国債のバスケットにペッグされる予定のフェイスブック(Facebook)の仮想通貨「リブラ(Libra)」を直接取り上げ、次のように述べている。

「リブラコインに価格保証はなく、コインは基礎となるポートフォリオの時価に対して占める割合に応じた法定通貨にいつでも交換することができる。(中略)決済は、リブラの移転、つまり実質的には(法的権利はないかもしれないが)リブラの準備金に対する持ち分の移転によって実現される」

規制面では、中央銀行が電子マネーの未来の形成において「重要な役割」を担うこととなる。中央銀行が有する規則を制定する力は、電子マネーの普及や電子マネーが商業銀行にかけるプレッシャーなどに大きな影響力を持つ。

報告書には次のように記されている。

「ソリューションの1つは、新興電子マネー提供企業の一部を選定し、厳しい条件つきで中央銀行の準備金へのアクセスを与えること。これはリスクを高めるが、さまざまな利点もある。とりわけ、一部の国の中央銀行は、現金のデジタル版である『中央銀行デジタル通貨(central bank digital currency=CBDC)』を効果的に提供するために電子マネー提供企業と連携する可能性もある」

しかし同報告書は、「統合的CBDC(syntheic CBDC)」と題された、別の官民共同ソリューションを提案する。中央銀行が電子マネー提供企業に、中央銀行の準備金へのアクセスを含む決済サービスを提供するが「他の全ての機能は、規制のもと、民間の電子マネー提供業者の責務となる」という案だ。

sCBDCはコストやリスクがより低いモデルでありながら、中央銀行が「信頼性と効率性」をもたらす中、民間セクターが「イノベーションを起こし、消費者と交流する」ことを可能とする、と報告書には記されている。 

参考資料:https://www.coindeskjapan.com/14780/ 

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