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ー基本情報ー

単位XRP
考案者ライアン・フガー(Ryan Fugger)
ホワイトペーパーhttps://ripple.com/files/ripple_solutions_guide.pdf

①リップル(XRP)を一言で

リップル(XRP)は、送金の利便性向上を目指す仮想通貨として知られている。

より速く、より安い国際間(クロスボーダー)での「お金」の移動を実現させることを最重要課題として掲げ、既存の国際送金システムに取って代わるようなシステムの構築を目指す。

今やインターネットを通したグローバルで自由な「情報」の移動が当たり前となり、私たちは世界のどこにいてもリアルタイムでコミュニケ―ションを行うことができる。

一方、グローバルな「お金」の移動には、数日を必要とする上、高額な手数料が発生するなど多くの課題が存在する。

先進国をはじめとする国々では、電子マネーや電子バンクなど、「お金」は実態を持たずとも日々の消費活動に利用される機会が増えてきている。

国内では便利になるお金事情だが、グローバルな「お金」の話になると、各国の制度的差異や伝統的権威の存在など、より便利なシステムへ移行するのは容易ではない。

リップルが挑戦するグローバルな領域は、硬直的な金融業界の中でもとりわけ改革が難しい。

しかしながら、リップルのプロジェクトにはすでに多数の金融機関が参加しており、その数は200を超える。日本からはSBIグループ、みずほ銀行、三菱UFJ銀行などの大手から地方銀行までもが名を連ねるなど、リップルの構想は具体性を帯びてきている段階だ。

*以下、通貨リップルは「XRP」、会社リップルは「リップル社」と表記する。

②リップルの誕生

仮想通貨XRPの誕生は2013年11月。ビットコインが誕生した2009年から4年のギャップがあるが、リップルの構想自体は、2004年ライアン・フガー氏によって執筆された論文までさかのぼることができる。

彼の構想は、ビットコインのように単一のグローバル通貨を確立する事ではなく、「お金」の移動の不便さを解決することを目的としていた。

現在の「お金」の移動に必要な第三者機関(銀行など)を介することなく、自由な「お金」の移動を可能にするためのインターネット上での通信方法(プロトコル)を提案したのだ。

これは、「価値のインターネット(IoV:Internet of Value)」の実践的な手法であったが、時期尚早であったせいか、発表当時は具体的な取組には発展しなかった。

後にリップル社が主導するこのライアン・フッガー氏の構想は、時を経てMt.Gox の創業者として知られるジェド・マケーレブが、ビットコインの登場で注目を浴びたブロックチェーン技術を応用した 「Consensus(コンセンサス)」 と呼ばれる仕組みを考案し、具体化への歩みを進める。

リップル開発者らによって2012年、現在のリップル社の前身オープンコイン社( OpenCoin, Inc.)が設立される。同社は、XRPの管理母体である 「リップル・コンセンサス・レジャー(Ripple Consensus Ledger:RCL)」を完成させ、翌2013年にXRPが配布された。

リップル・コンセンサス・レジャー(RCL)はビットコインでおなじみのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれる仕組みを採用せず、独自に開発・改良を重ねた「コンセンサス」を採用。これにより、ビットコインの弱点であったスケーラビリティや過度な消費電力といった問題を解決。ビットコインが一回の取引に10分を要していたのに対し、XRPは数秒で取引を完結させるなど最速クラスの決済スピードを提供することができる。

2015年、リップル社はブロックチェーンなど複数の台帳を接続する技術、インターレジャー・プロトコル(ILP)を開発。2017年には同技術がリップル・コンセンサス・レジャー(RCL)に組込まれたのを機に、リップル・コンセンサス・レジャー(RCL) は 「XRPレジャー(XRP Ledger)」 に改名された。

現在、通貨XRPはXRPレジャーによって管理されている。そして、リップル社はXRPを利用した高速送金を行うシステムの構築を行っている。

③仮想通貨 XRP

ビットコイン以降に誕生した仮想通貨は「アルトコイン」と呼ばれ、XRPもアルトコインの一つに数えられる。

XRPはビットコイン同様にブロックチェーン技術を用いて取引の記録を行う。

XRPの最大の特徴は、ビットコインがブロックを承認するために「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」という仕組みを採用しているのに対し、XRPは「コンセンサス」という仕組みを採用している点だ。

③-1. 「コンセンサス(Consensus)」

ビットコイン(BTC)の取引がブロックチェーン上に記録される際、ビットコインソフトウェアを持つ不特定多数の人々(ノード)が取引の承認作業を行う。この承認作業には誰でも参加することができる。

一方、コンセンサスの場合、リップル社が任命する人・機関がXRP取引の承認作業を行う。この任命された承認者もしくは承認機関は「バリデーター(Validator)」と呼ばれる。そしてコンセンサスを採用したXRPは、80%以上のばバリデーターの承認により取引がブロックチェーン上に記録される。

リップル社がコンセンサスを採用するメリットは以下の3つに分類できる。

1.スピード

PoWは何万というノードが取引の承認に関わることで、取引記録の安全性を高めることができるが、その分時間がかかる。コンセンサスでは、バリデーターに社会的信用のある人・機関(銀行や大学機関)が少数精鋭の承認作業を行うことでXRPの取引にかかる時間を大幅に短縮している。よって、送金にかかるスピードを向上させることができる。

2.安価

PoWを採用する仮想通貨で取引を行う場合、手数料を利用者が設定することができる。手数料を高く設定すればするほど、早く取引が完結する。すなわちその仮想通貨の利用者が増え、取引量がさらに増えれば、手数料の高騰が発生するリスクがある。加えて、承認する側はコンピュータの計算競争が激化し、電気をより消費する必要性が出てくる。

PoWは経済的な競争原理により仮想通貨の運営・管理を成立させているため、その競争が激化すると運営・管理にかかるコストが上昇してしまう。

コンセンサスの場合、XRPの管理・運営を行うバリデーターの間に競争原理はない。PoWと比較すればバリデーターは無償でXRPの承認作業を行うことになるが、XRPが安定的に運用されることで彼らが得られる利益が存在する。したがって、運用にかかるコストもPoWに比べると格段に低い。(*電子メールサーバーを動かす程度)

3.機動性

リップル社は、新しい通貨を創造することを目的としていない。すなわち「XRP」は目的ではなく、国際間での送金ネットワーク構築に向けた手段であるので、最終的にプロジェクトが具体性を帯びてくるまで、XRPは機動性の高い方が良い。そのため任命された機関により承認作業が行われるコンセンサスは、不特定多数の人々が合意形成をおこなうよりも、意思決定の機動性に優れている。

③-2.発行上限枚数

XRPの発行上限枚数は、1000億XRPと設定されている。XRPの最小単位は、1XRPの100万分の1であり、この最小単位は「drop」と呼ばれる。

ビットコインと異なる点は、全てのXRPがすでに発行済みであることだ。

しかし、1000億XRPすべてが市場に出回っているのではなく、リップル社が半分以上の550億XRPをXRPレジャーに凍結状態(ロックアップ)にしている。

2013年に初めてXRPが配布されて以降、XRPはリップル社によって戦略的に配布されていることになる。

③-3.XRPにマイニングはない

既にXRPは発行されているので、ビットコインをはじめとする他の通貨に見られるような「マイニング」は存在しない。

③-4.XRPの使い道

1.送金手数料

XRPを送金すると、手数料が発生する。一般的な法定通貨にかかる送金コストや仮想通貨の送金コストと比較してもXRPの手数料は格段に低い。手数料として利用されたXRPは消滅するようにプログラムされている。

2.ブリッジ通貨

XRPの高速送金と安価な手数料を活かし、通貨の橋渡しを行う「ブリッジ通貨」として機能する。

例えば、日本で「円」を「XRP」に変換。その後、「XRP」をアメリカに送金。アメリカで「XRP」を「ドル」に変換することで海外送金を完結させることができる。

これは、「円」、「ドル」、「ユーロ」、「BTC」、「ETH」どの通貨間においても利用できるようになるだろう。
*詳細=「xRapid」

リップル社とその他関連する企業は、銀行をはじめとする金融機関での「XRP」利用に向けた取り組み(営業)を行っている。

3.通貨

XRPをモノやサービスと交換しても良いというお店があれば、「通貨」としてXRPを利用することはできるだろう。

④リップルの送金ネットワーク

④-1.RippleNet(リップルネット)

リップルネットとは、リップル社が構築する国際送金ネットワークだ。

銀行から企業そして個人に至るお金に関わるすべての主体がこのネットワークを利用することができる。

このネットワーク上を駆け巡る「お金の移動」は高速かつ低コスト。ここで言う「お金」はドルや円といった法定通貨とビットコインやイーサリアムを含む仮想通貨全てを意味する。

リップルネットはP2Pを用いた分散型ネットワークであり、金融サービスを提供する銀行や取引所を中心に、その他多くの企業や個人をつなぐ決済・送金サービスとしての利用が目指される。

「リップルネット=高速低コストの国際送金インフラ」

ILP(インターレジャープロトコル)

しかし、根本的な問題として、複数の金融機関や仮想通貨は、それぞれ独自の取引台帳(レジャー:取引を記録したデータベース)を持っているため、異なる金融機関やブロックチェーンを介したお金の移動にはそれなりの時間やコストが降りかかってくる。

このような問題に対処する目的で開発された技術が「ILP」だ。ILPは、それぞれの取引台帳へのアクセスを標準化することで、複数の取引台帳をつなぐハブ機能をもたらす。

これにより、リップルネットを使用することで、今まで提携のなかった金融機関の間での資金の移動や、仮想通貨の移動までも自由に行うことができる。金融機関が取扱いしていない通貨の変換(ex.円とビットコイン)も気にすることなく自由なお金の移動を行うことができる。

④-2.xCurrent

「xCurrent」はリップルネットを構成する銀行向けのサービスだ。

「xCurrent」を導入した銀行は送金にかかる費用やプロセスを瞬時に把握することができ、国際送金のサービスを最適化することができる。

現在の送金サービスは、SWIFT(国際銀行間通信協会)と呼ばれる国際的な金融ネットワークを構築する団体が提供する送金サービスを用いるのが一般的だ。

SWIFTのサービス

SWIFTに加盟した銀行は、指名された送金先の銀行のSWIFTコードと入金先の口座を指定し、「送金してくだい」とメッセージングする事ができる。

そのメッセージをもとに国内のコルレス銀行から海外のコルレス銀行を介した送金が行われる。

コルレス銀行は、世界各国の主要な銀行(資金の豊富な銀行)に口座を開き、現地通貨を保有している銀行だ。保有した現地通貨を利用することで、海外送金サービスを提供する際に、わざわざお金が国境を超える必要がなくなりスムーズな海外送金を行える。しかし、コルレス銀行になれるのは、海外口座にお金を保有しておける資金の豊富な大手の銀行だけとなる。
*日本では三菱UFJ銀行がコルレス銀行として業務を行っており、世界各国に口座を開いている。

以下に送金プロセスを示す。

①送金者がある銀行に海外送金を依頼
②依頼を受けた銀行は、国内のコルレス銀行へ送金を依頼
③国内コルレス銀行は、送金先の国のコルレス銀行へ送金を依頼
④依頼を受けた海外コルレス銀行は送金者に指定された国内銀行の口座へ送金
⑤送金を受けた海外の銀行は送金宛の口座へ着金する(完了)

SWIFTの送金プロセスを見ると、いくつかの銀行を介する必要があり、それぞれの業務には送金手数料・受取手数料・為替手数料・中継銀行手数料などが発生し、トータルの手数料が高額になる。

加えて、送金が完了するまで、いくらの手数料が発生するかは確定されない。これは、SWIFTが国際送金の全てを管理しているわけではなく、メッセージング機能を提供しているのみで、実際の送金については、各国の様々なルールが混在しているためだ。

さらに、コルレス銀行が保有する海外送金用の口座(ノストロ口座)は、海外送金以外での利用が制限されており、利用価値の低い死蔵資金(資産運用に使えない資金)になる問題もある。

このような現状に対して、「xCurrent」を導入した銀行は、各銀行に送金プロセスや明確な手数料を送金前に仕入れることができる。

したがって「xCurrent」導入銀行は、海外送金サービスを最適化するための選択肢を持つことができる。

一方で、「xCurrent」は劇的に手数料を低く抑えることを意味しない。あくまで彼らが手にしたのは、経由銀行やその手数料を瞬時に把握できることである。

「xCurrent」の使用例として、2018年10月にスペイン最大の商業銀行サンタンデール銀行が、「xCurrent」を用いた外国向けの送金サービスを公開したことが挙げらる。スペイン、イギリス、ブラジル、ポーランドの4か国を対象に、来年には他の市場への展開も検討している。

④-3.xRapid

「xRapid」は、リップルネットを構成する送金ネットワークで、様々な通貨の橋渡しを行う「ブリッジ通貨」として「XRP」を利用する。

「xCurrent」が主に銀行で利用されるサービスであるのに対し、「xRapid」は送金業者を対象としたサービスである。

イメージとしては、世界各地にXRPの取引所が設置されることで国際送金を行うことができるサービスだ。

XRPの特徴を活かした安価で高速な送金ネットワークの構築を試みる。

「xRapid」の送金プロセスを以下に示す。

①送金者が自国送金業者に送金を依頼
②送金業者が自国通貨をXRPに両替し、XRPを海外支店の送金業者へ送金
③現地で受取ったXRPを海外送金業者が現地通貨に変換し、送金相手に渡す

SWIFTの送金と比較すると、シンプルな送金プロセスである。

「xRapid」による送金は送金速度と手数料の両面でも大幅な改善が達成されている。例えば、イギリスの国際送金サービス会社MercuryFXが、イギリスからメキシコへ8万6633ペソ(約50万円)を送金した際には、手数料79.17ポンド(約1万1200円)と31時間が節約できたと報告している。

「xCurrent」を導入した銀行が海外送金サービスを最適化する場合に、「xRapid」が最もコストパフォーマンスが高いと判断されるようになれば、銀行側での「xRapid」の利用も拡大する。さらに、コルレス銀行は海外口座に資金を置いておく必要性がなくなるので、ノストロ口座の残高を減らし、より有効な資産運用を実行することもできる。

④-4.xVia

「xVia」は、「xCurrent」と「xRapid」を導入していない銀行や送金業者、もしくは国際送金を頻繁に行う企業や個人を対象に、リップルネットへのアクセスを行うためのサービスだ。

とりわけ、グローバルに活躍する企業では、速く、確実な送金は「ビジネスの要」である。そのような国際送金を頻繁におこなうようであれば、銀行や送金業者にいちいち送金の手続きを行うより、自ら送金を行えた方がむしろ利便性が高いと言える。

しかし、「xVia」が本格的に利用されるには、リップルネットが十分な送金能力があることを証明する必要がある。そのため現時点での実用化の動きや認知度自体も「xCurrent」や「xRapid」に比べると低い。

とはいえ、「xCurrent」や「xRapid」を利用する対象が限定的である一方で、「xVia」の汎用性は高く、もしリップルネットが十分に普及すれば企業もしくは個人までもが「xVia」を利用することが予想される。

④-5.「RippleNet」「xCurrent」「xRapid」「xVia」まとめ

現在の送金業務を担う主体である銀行をはじめとする金融機関に対して「xCurrent」を導入し、明確な送金プロセスや十分な情報を提供する。

世界各地に送金サービスを提供する送金業者に対して、「xRapid」を導入し、送金のスピードと手数料の大幅削減を目指す。

これら「xCurrent」と「xRapid」によって構成されるリップルネットに、さらに一般企業や個人もリップルネットに組込むために「xVia」を導入。さらなるリップルネットの拡大を確実なものにし、高速・低コストの国際送金インフラの構築を目指す。

⑤リップル賛否両論

⑤-1.中央集権的仮想通貨か?

ビットコインのようにオープンソースで特定の管理者を持たない仮想通貨からすると、XRPはリップル社という特定の主体が発行し、その管理においても一定の影響力を持つ様子は中央集権的であるとの議論がある。

リップル社は、プロジェクト上のプロセスとして、XRPの管理に関与するだけで、徐々に非中央集権的な仮想通貨として分散化されていくとしている。

⑥XRP購入方法

⑥-1.仮想通貨取引所

国内外にある仮想通貨取引所で口座開設を行い、現金または対応する仮想通貨と交換する。

⑥-2.友人・知人を通した直接的な取引

XRPを保有する友達から譲ってもらったり、現金を渡してビットコインと交換するなど利用者同士での直接的な取引を通してXRPを入手することができる。

*マイニングによるXRPの獲得はできない。

⑦まとめ

・リップル社の構想の主軸は「価値のインターネット(IoV)」

・XRPは2013年から配布を開始。XRPレジャーにて取引の記録を行う。

・XRPの特徴は高速送金、安価な手数料、そしてこの2つを活かしたブリッジ通貨としての機能をもつ。

・リップル社が構築を目指す国際送金ネットワークは、「RippleNet」「xCurrent」「xRapid」「xVia」の4つの取組から構成される。

現在のリップルの価格はこちらのチャートから。 

参考資料:https://jp.cointelegraph.com/news/what-is-ripple-article 

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