ブロックチェーン・DLT技術による銀行間送金「プロジェクト・ウビン」支援
MASのラビ・メノン局長によると、シンガポールには現在50社ほどのスタートアップ企業があり、ブロックチェーン中心のシステム上で機能している。ブロックチェーン・エコシステムがこれら企業を支援し、シンガポールの大学はブロックチェーン技術を学び、ベンチャーキャピタルは熱心に投資、大手テクノロジー企業はブロックチェーンを有効に利用する道を探っている。
MASはさらに2016年、フィンテック企業R3と提携して、ブロックチェーン/分散型台帳技術(DLT)を活用する銀行間送金プロジェクト「Project Ubin(プロジェクト・ウビン)」を開始した。その目的は、金融取引と処理の費用対効果を上げ、弾力性と透明性を増すことだ。「Project Ubin」は、MASを中心にしてコンソーシアムを結成し、クレディ・スイス、DBS Bank、シンガポール証券取引所、メリルリンチなどが参加している。
MASのチーフ・フィンテック・オフィサーであるソプネンドゥ・モハンティ氏(Sopnendu Mohanty)は2017年10月、シンガポールは新規テクノロジーの採用に進歩的戦術を採用していると語っている。MASは、ブロックチェーンと仮想通貨業界に対して、そのスタートアップ企業とICOに関連する状況について、「現実的姿勢」を採用している。シンガポールは今や、中小企業に有利な環境と技術革新で国際的に知られている
シンガポールは、仮想通貨に関する法律は施行していない。一方、銀行は危険性があれば、仮想通貨に関連する業務活動を規制する。
シンガポール金融管理局が東南アジア諸国の金融包摂向上を支援
シンガポール政府は他方、東南アジア諸国向けの金融包摂を向上する目的で、ブロックチェーン技術の開発を進めている。5月初旬に開かれたASEAN財務相・中央銀行総裁会議でシンガポールのヘン・スィーキェット財務相は地域の金融アクセスを向上するため、ブロックチェーンなどのイノベーションを高める政府計画を明らかにした。
同財務相は「われわれは特に、フィンテックのようなデジタル・イノベーションを支援する。例えば、分散型台帳技術は、安価で確実な取引のための多くの機会を与えてくれる。これによって、満たされず、銀行口座のないASEAN諸国の人々への金融包摂が促進される」と力説した。
フィンテック特許申請に迅速承認制度を導入
シンガポール知的財産局(IPOS)は、特許申請・処理手続きを簡略化して、フィンテク企業が早期に特許を取得できる政策を執っている。IPOSによれば、これまで最低2年はかかっていた特許取得が、6ヵ月で認可されるようになっている。シンガポール・フィンテック協会のChia Hock Lai会長は「シンガポールのフィンテック部門は急成長している。特許申請手続きが早まれば、企業はより早く製品を市場に出すことが可能になる」と語った。
MASのモハンティ氏は「製品化までの時間が極めて重要な業界では、フィンテック特許の迅速承認制度によって、製品とサービスをこれまで以上に迅速に商品化することができる。特許の高速処理によってシンガポールは、フィンテック企業にとってより魅力的な目的地になり、シンガポールの力を一段と強化することになる」と語っている。
参考資料:https://coinchoice.net/singapora-blockchain-lead/
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