ウルグアイ中央銀行は、法定デジタル通貨を世界で初めて実用化し、国民を対象にしたパイロット試験を今月初めから開始した。国内の大手経済紙では、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用したとも報道されているが、中銀発表の資料やスペイン語のメディアでは「暗号通貨ではない(No es una criptomoneda)」と明言されている。
日本の邦銀連合による「Jコイン」やスウェーデンの「E-krona」同様、いわゆる電子マネーや通貨建て資産に近い存在のようだ。
自国通貨ペソと同価で法定通貨でもある「ePeso」は、2千万ペソ(約7700万円)分が新規に発行された。ウォレットアプリをダウンロードした希望者の携帯電話1万台にチャージされ、店舗などで支払いに使用できる。一般の電子マネーとは異なり、個人間の送金も可能だ。政府は6ヶ月の試験期間を経て、今後の方向性を決定する。
ブロックチェーンではないため、コスト削減や効率化がどこまでできるかは未知数だが、それでも法定通貨をデジタル化するだけでも国家にとってメリットは大きい。中銀のマリオ・ベルガラ総裁は「紙幣の印刷、全土への流通、搬送中の防犯にはコストがかかる」と話す。
また、国民の資産状況や消費実態をより綿密に把握することで脱税や汚職、マネー・ロンダリングを防止できる。現金社会のインドで政府が法定デジタル通貨を検討しているのも、まさにこの理由のためだ。
なお、ウルグアイは、ベネズエラほどではないものの国内の経済危機が未だ深刻だ。過去にはスーパーインフレや銀行の取り付け騒ぎなども起きている。国民のペソへの不信は拭きれていない。ePesoは国民にどれだけ受け入れられるだろうか。
参考URL:https://btcnews.jp/3dyr28uc13707/
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