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今月はビットコインの危機ともいわれるSegwit2xというハードフォーク(分裂)が予定されています。ビットコインの危機について、さまざまな記事でまとめられていますが、正直「Segwit2xとは何か、そもそもハードフォークとは何か理解できていない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 
今回はソフトフォーク・ハードフォークの違いや、今年すでに起きた2回のハードフォークの実態、さらにSegwit2xがもたらすビットコインの危機について、初心者でも理解ができるようにわかりやすく図でまとめます。
 

【目次】

 
 

分裂する目的は?なんで分裂するの?

ビットコインは今年すでに2回ハードフォーク(分裂)をしていて、そのたびに話題を呼んでいます。そもそもなぜビットコインの分裂がおこなわれているのでしょう。分裂をおこなうことの最も大きい理由は、ビットコインの送金等に関する速度改善のための仕様変更です。
 
本来ビットコインに代表されている仮想通貨のメリットには送金スピード速さがあげられます。しかし、多くの人が取引をするようになった結果、ビットコインの処理速度が追いつかないようになり、結果的に取引スピードが遅くなってしまっているという課題が出ています。この課題を解決しようと、さまざまな方法が考えられていて、その手段の一つとしてハードフォーク(分裂)があるようです。
 
「ハードフォーク」という言葉はよく耳にすると思いますが、「ソフトフォーク」という言葉も存在しています。実はソフトフォークも、ビットコインの取引速度を速めるための一手段なのです。
 

ビットコインの処理速度を速くする方法「ハードフォーク・ソフトフォークの違い」ってなに?

処理速度を速めるための手法として、ハードフォークとは、ビットコインなどの仮想通貨に使用されているブロックチェーン(仮想通貨の取引を記録し続けているデータ)を大きくすることで、ソフトフォークとは、ブロックチェーン上の1つのブロックに入っているデータを圧縮することです。どちらも取引スピードを速くすることを目的としておこなわれています。
 
ハードフォーク・ソフトフォークともに、ブロックチェーンに取引情報などを書いていくマイニング(採掘)をしているマイナーと呼ばれる人たちによっておこなわれており、ビットコインの仕組みが正常に動き続けるのは マイナーのおかげだと言われています。

 
どちらの方法でもビットコインの処理速度を改善することができますが、それぞれにメリットとデメリットが存在しています。例えばソフトフォークを選択すると、マイニングをするマイナーの利益が増えたり、減ったりする場合があるようです。
 
そのメリットとデメリットによって、どちらの方法でビットコインの取引スピードを改善するかが議論されています。より詳しく、2つの解決方法についてみてみます。
 
 

ビットコインのマイナーには2つの派閥がある?

「ブロックのサイズ引き上げ派」(ハードフォーク派)と「データの容量圧縮派」(segwit派)という2つの派閥が存在しています。
 
ビットコインのスピードを速くするには、ブロックチェーンの1ブロックのデータを圧縮するか、1ブロックの容量をあげるかで対立しています。それぞれにメリット、デメリットがあるため争いが起きてしまいます。
 

ブロックのサイズ引き上げ(ハードフォーク)をおこなうことによって起きること

メリット
・取引速度が速くなる

 
デメリット
・今までの取引との互換性がなくなる(今までのブロックチェーンと繋ぐことができなくなるため、分裂する)

 
 

データの容量の圧縮(ソフトフォーク)をおこなうことによって起きること

メリット
・取引速度が速くなる
・今までの取引情報を引き継いで取引ができる(同じブロックチェーンで運用可能)

 
デメリット
・ビットコインのマイニングに使用していた高性能な機械ASICが使えなくなる
・ASICが使えず、効率の悪いマイニングをおこなうことで電力コストがかかる

 

より多くのお金を稼ぎたいと思っているマイナーはハードフォークをおこなうことを勧めており(ハードフォーク派)、ハードフォークでブロックチェーンが分裂することにより、誕生するアルトコインに価値がつかなくなることを懸念するマイナーはSegwitを勧めています(ソフトフォーク派)。
 
この両者の意見が次の11月におこなわれるハードフォーク(Segwit2x)にどのように取り入れられているか解説します。
 
 

注釈
ASIC: さまざまな機能が付き、一般のPCよりも演算を早くできる(マイニングが効率よくできる)機械

 
 

対立する両者の妥協案Segwit2xとは

簡単にいうと、今まで対立していた「ブロックのサイズ引き上げ派」(ハードフォーク派)と「データの容量圧縮派」(ソフトフォーク派)の意見をどちらも取り入れようといった方法が取られる予定です。これを一般的にデータの圧縮作業(Segwit)とブロックサイズを引き上げ案を取り入れた方法としてSegwit2xといわれています。

 
 

ビットコインの危機とも騒がれる11月のハードフォーク(Segwit2x)について

「ブロックのサイズ引き上げ派」(ハードフォーク派)と「データの容量圧縮派」(ソフトフォーク派)の両者の意見を取り入れるために、2つの段階を必要とします。最初におこなわれるのが、1ブロックの中のデータの圧縮作業(Segwit)で、その後11月にブロックサイズを引き上げるための分裂(ハードフォーク)がおこなわれる予定です。
 
 

①「データの容量圧縮派」(ソフトフォーク派)の意見を取り入れる

すでに8月24日にデータの圧縮(SegWit)は実装されています。「データの容量圧縮派」(ソフトフォーク派)の意見通り、1つのブロックチャーンの容量はそのままで、ビットコインの取引情報の処理速度をあげるためのアップデートです。分裂したわけではないので、新しいコインの誕生はなく、システムがアップグレードしました。
 
ビットコインに投資をおこなう人に取っては、特に問題はなかったので、そこまで大きく取り上げられることはありませんでした。

 
 

②「ブロックのサイズ引き上げ派」の意見を取り入れる  ←今回の話題になっている点

すでに、「データの容量圧縮派」(ソフトフォーク派)によって支持されるSegWitが実装されたブロックのサイズが1MB(メガバイト)から2MB(メガバイト)に変更(サイズ引き上げ)をすると、今まで繋いできたブロックチェーンに新しいブロックチェーンを接続することができなくなります。このため、ブロックチェーンが今までのものと新しいものに分かれてしまいます。
 
ブロックチェーンの分裂により、1ブロックあたりの容量が大きくなり取引処理速度の上がった、B2Xという新しい仮想通貨がもう1つ誕生する予定です。

 

11月のハードフォーク(Segwit2x)の目的
・ビットコインの取引にかかる処理速度を速くする目的
 
分裂で生まれる予定のB2Xの特徴
・1ブロックの処理速度が、データの圧縮により以前の4倍速になる
・1ブロックの容量が、1MB(メガバイト)→2MB(メガバイト)にアップする
 
8月10月のハードフォークとの違い
・Segwit2xでは分裂派と、圧縮派の両方の意見が取り入れる点

 

これだけ聞くと、容量も処理速度も上がって何も問題がないのでは?と考える人も多いと思います。実際に、8月と10月にもビットコインの分裂は起きていましたが、11月の分裂は特に危険だといわれています。
 
8月と10月の分裂がどのようなことがおきており、11月のビットコインのハードフォークでどういった点が危険だと言われているのかについてまとめてみたいと思います。
 
 

今年起きたビットコインのハードフォークって結局なに?

今年の8月10月と、すでに2回のハードフォーク(ブロックのサイズ引き上げ)がおこなわれました。今回おこなわれようとしているハードフォーク(Segwit2x)と、今まで起きた2回のハードフォークでは分裂する目的や方法が異なっています。それでは8月、10月のハードフォークについて、詳しくみてみます。
 
 

ブロックのサイズ引き上げ派による8月のハードフォーク

8月1日新しくビットコインキャッシュが誕生したビットコインのハードフォークは、世界最大のマイニングプールであるジハン・ウィー氏が率いるBitmain社と、ViaBTC社によりおこなわれたと言われています。
 
ブロックチェーンの分裂によって、ビットコインの価値が下がるのではないかと混乱を招くことが予想されていた8月のハードフォークでは、問題も特になくビットコインと同じ量のビットコインキャッシュが誕生するという結果になりました。
 
1ビットコインキャッシュの容量が8GBと大きくなり取引スピードに対して期待もされていましたが、現在はビットキャッシュをマイニングするマイナーが多くないため、ビットコインより送金スピードは遅いようです。
 
 

8月のハードフォークの目的
・ビットコインよりも処理速度の速い仮想通貨を作る目的
 
分裂で生まれたビットコインキャッシュの特徴
・ブロックサイズが8MB(メガバイト)となっている。※ビットコインは1MB(メガバイト)
・取引速度が速い?(マイナーがいないため今はBTCより遅い)
 
11月のSegwit2xハードフォークとのちがい
・リプレイプロテクション(取引情報の切り分け)が完全におこなわれていた。

 
 

誰でもマイニングできるようになることが目的だった10月のハードフォーク

香港のマイニング企業LightningASIC社のJack Liao氏が中心となっておこなわれたハードフォークです。ビットコインは高性能のASICという機械を用いなければ、マイニングで得ることのできる報酬は少なかったので、一般の人がマイニングをおこなうのは厳しいという現状がありました。
 
そんな状況をかえるためにGPUというソフトを利用するだけで、誰でもマイニングができるビットコインゴールドという仮想通貨がハードフォークによって生みだされました。ビットコインゴールドは、誰でもマイニングができるだけではなく、ビットコインとは異なりマイナーがブロックサイズを自由に選択することができる「UAHF」というシステムを採用していています。
 

10月のハードフォークの目的
・より多くの人がマイニングに参加できるようにする目的
 
分裂で生まれたビットコインゴールドの特徴
・ビットコインゴールドのマイニングではマイニングに特化したASICをしなくても、UAHFというソフトを利用すれば誰でもマイニングが可能
・より多くの人がマイニングに参加できる可能性がある
・発行枚数は2,100万枚
 
11月のSegwit2xハードフォークとのちがい
・フォーク後にビットコインゴールドのリプレイプロテクション(取引情報の切り分け)がおこなわれた
・コインの容量や処理速度をあげたのではなくて、新しいコインを使って誰でもマイニングに参加できるようにした

 
11月に予定されているビットコインの分裂は上記の8月と10月の分裂と比べて、ビットコインの価値を下落させる可能性が今までとは比べ物にならないほど高いと言われています。その理由をご紹介します。
 

注釈
GPU  : パソコンの画像処理や演算装置などをになう部分のこと。
UAHF   : マイナーがブロックサイズを自由に選択することができるシステム

 
 

Segwit2xが本当に危険だと言われる理由

ビットコインの処理速度を高めるための方法としてのSegwit2xですが、なぜ今までにないほどのビットコインの危機だと言われているのでしょうか。以下より、その理由をご紹介します。
 
 

「リプレイプロテクション」が完全にはおこなわれない可能性がある

リプレイプロテクションとは、今のビットコインと、ブロックチェーン(取引情報の記録)の分裂により新しく誕生する新しいコイン「B2X」の取引を完全に切り分け、区別できるようにすることです。これらはマイナー(採掘者)によっておこなわれるものですが、マイナーがリプレイプロテクションをおこなわない場合、ビットコインを持つ人は自身でしっかりビットコインを管理しないと、いつの間にかなくなっているという事態も起きかねないそうです。
 

これ(※リプレイプロテクション)には、「完全なもの」と「弱いもの」がある。ビットコインキャッシュが分離したときには、ビットコインキャッシュは完全なプロテクションをおこなった。これにより、ビットコインキャッシュとビットコインの取引は完全に分離され、「ビットコインだけを送金したつもりだったのに、ビットコインキャッシュも送られてしまった」というようなことは発生しなかった。
 
 しかし、今回は、「弱いプロテクション」しか導入されないことになりそうだ(「How Segwit2x Replay Protection Works」参照)。

 
リプレイプロテクションがおこなわれなければ、リプレイアタック(攻撃)という手法により、ビットコインが盗まれてしまう可能性があるそうです。 
 
 

リプレイアタックを避けるために、今以上の手間がビットコインの送金にかかる可能性

ブロックチェーン(取引情報の記録)が分裂し、元となる仮想通貨(ビットコイン)から新しい仮想通貨(B2X)が生まれたときにはリプレイアタックに注意をする必要があります。
 
リプレイアタックとは、リプレイプロテクション(現在のビットコインと派生して生まれたコインの取引情報の完全な分離)がおこなわれないことで、取引データが複製され、意図せずにビットコイン(もしくはB2X)が盗まれてしまうことです。
 
例えば、今回のSegwit2xのハードフォークで新しく誕生するB2Xを誰かに送金したときに、送金したB2Xと同じ数のビットコインも勝手に送金されてしまう可能性があるのです。
 

ハードフォークによってブロックチェーンが複数の枝に分岐し、異なる2つ以上の独立した台帳に分かれてしまった場合において、ひとつの枝で有効なトランザクションが他の枝でも有効となることを利用して、ある台帳上で有効な取引を他の台帳上でも実行することにより、送金者の意図しない台帳上で資産移動させてしまうことを、リプレイ攻撃といいます。
 
たとえば、仮にブロックチェーンが Y および Z という 2 つの枝に分岐し、それぞれが独立した台帳とみなされることとなった場合で、送金者が Y の台帳上でのみの送金を意図してトランザクション T を作成したと仮定します。悪意のある受領者がこのトランザクション T の Z 上での実行を試み、トランザクション T がブロックチェーン Z に記録されてしまった場合、送金者は意図せず Z の台帳上でも同様の送金を行ったことになります。
 

 
 

リプレイアタックを避けるために、ビットコインの送金に手間がかかる

リプレイアタックを避けるためには、保有している人自身がリプレイアタックを避けるための特別なアドレスを使うなど、送金の際に注意をしないといけなくなるそうです。今まで通りの簡単な送金はできなくなるかもしれません。
 

Segwit2xにリプレイプロテクションが導入されないと、ハードフォーク後にBTCとSegwit2x(B2X)の2つのコインを独立して認識することが難しくなる。つまりハードフォーク後にB2Xが付与され、同じコインを送金してしまうと、関係のないBTCまで送金されてしまう。
 
これを回避するためには、BTCを「3Bit1xA4apyzgmFNT2k8Pvnd6zb6TnwcTi」という、「3」から始まるアドレスに送金しないと、いつの間にかB2XのチェーンにBTCが送られてしまうのです。これはコイン紛失と同等の行為になります。 上記アドレスは2xチェーンではブラックリストアドレスとして機能するので、ここへの送金を含んだトランザクションは2xのチェーンではマイニングされない。
 

 
自分のビットコインを守るために、ビットコインを送金する際は、新しくできたB2Xのブラックリストアドレス(リプレイプロテクションが適応されるアドレス)を使用しないといけなくなるそうです。送金自体に手間がかかることにより、「ビットコイン自体の利用率が低下するのでは」という意見も出ています。
 
 

ビットコインの価値がなくなる可能性

今回のビットコインの分裂によって、現在取引をされているビットコインの価値が大きく下がり、なくなってしまうのではないかという意見もあるようです。
 
そういった意見は「マイナー(取引記録を記入する人)が多く集結する方の仮想通貨が『本当のビットコイン』だとみなされるようになるのではないか」という考えから来ているようです。
 
新しくビットコインから派生する仮想通貨(B2X)にマイナーが集まり、B2Xこそが「本当の」ビットコインとみなされた場合、現在多くの方が所有しているビットコインのブロックチェーン(取引記録)が更新されず、使い勝手がより悪くなり、価格と取引量が大きく下落しゼロになる可能性あるという意見です。

 

もしB2Xが大きなハッシュパワーを持って『ビットコイン』となった場合、BTCは勿論大暴落する。その場合、マイナーはBTCをマイニングし続けるだろうか?いや、マイナーはよりマイニング報酬の高い別のコインを採掘し始めるだろう。
 
するとマイニングのされなくなったBTCはブロックの生成速度が著しく低下し、送金そのものが機能しなくなる未来が見える。もしB2Xが主導権を握った場合、BTCは消えて無くなることすらあり得るのだ。

 
 

11月ハードフォーク(Segwit2x)に向けての世間の最新の動き

11月ハードフォーク(Segwit2x)に向けてビットコインを扱う、取引所やビットコインATMなどを提供している企業の動きが注目されるようになってきています。新しく誕生するB2Xをビットコインとして扱うか、アルトコインとして扱うか、そもそもB2Xを取り扱わないかで、現在ビットコインを持っている方の資産状況が大きく変わります。
 
取引所によって、アナウンスされている内容や立ち位置が異なるので、利用している取引所の方針を確認することが必要です。


■まとめ

 
ビットコインのハードフォークとは何かという基礎の知識から、ハードフォークの裏側でどういう問題が起きているかなどをご紹介しました。今回のSegwit2xのハードフォークでは、さまざまな問題点があがっていますが、どういう結果になるかは、まだ誰にも断定することはできません。
 
Segwit2xのハードフォークで起こるさまざまなリスクを想定して、取引所の最新情報などもチェックしておいた方がいいかもしれませんね。

 
参考URL:https://www.enigma.co.jp/media/page-14154/ 

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