3月4日午後12時台に過去最高値を更新して150,700.00円を更新したビットコイン/円は、5日未明から売りが優勢となり一時144,000円台まで下落したものの、週明けには再び148,000円台まで回復して過去最高価格の水準を維持している。
3年半ぶりに1オンスあたりのゴールドの価格を上回る水準での取引続く
今回の価格上昇にはウィンクルボス兄弟が米国証券取引委員会(SEC)に提出するビットコインETF(上場投資信託)が承認されるか否かの決定が3月11日までに判明することが要因のひとつとみられている。これを受けて3月2日には、BTC/USDのスポット取引価格が1オンス当たりのゴールドの価格XAU/USDを上回ったことが注目を集めた。本稿作成時点でもビットコイン価格は1オンスあたりのゴールドの価格を上回る水準での取引が続いている状態だ。これは2013年9月以降およそ3年半ぶりの価格水準となる。
イーサリアムも過去最高値の水準へ再びトライ
イーサリアムの内部通貨であるETHも現在過去最高値へ向けて上昇している。3月3日に一時20ドルを突破し、本稿作成時点も19~20ドル前後の取引が続く。イーサリアムは2月28日にJPモルガンやインテル、マイクロソフト、BNY Mellonなどを含むエンタープライズ・イーサリアム・アライアンスの発足をアナウンスしており、こうした動向が価格上昇の一因と見られる。イーサリアムは昨年6月半ばに20ドル超えを示現したものの、直後のThe DAOプロジェクトのハッキング事件などで価格が下落していた。ETHは2月25日には13ドル前後で取引されていたため、一週間のうちに50%超に及ぶ上昇を見せたことになる。
過去最高値、またはそれに近い水準で取引されているビットコインとイーサリアムだが、それぞれに課題もある。ビットコインは現在トランザクションの処理が増え続ける利用数に追いついていない(トランザクションの承認がおよそ10分に1承認という通常の速度よりも大幅に遅れている)状態で、スケ―ラビリティ(取引処理能力)向上のため早急な解決が待たれる。スケ―ラビリティをめぐる話題は価格にも直接的に影響してくる可能性が高い。また、イーサリアムは昨年幾度かのハードフォークを実施した後、信条の差異からETHとETCというふたつの仮想通貨に分岐することとなり話題を呼んだ。2017年には新バージョンのリリースへ向けて取り組むが、ネットワークの安定性・堅牢性のアピールのためにもトラブルを最小限に抑えてゆくことが期待される。
ビットコインに関しては直近のビットコインETFの他、中国の取引所規制、また技術面の課題解決の行方も含めて動向に注目していく必要がありそうだ。
参考URL: https://www.coin-portal.net/2017/03/06/17849/
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