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暗号の世界において、個人資産の十分な安全性の確保と、不測の事態が起こった場合の相続人や他の受取人への資産の所有権の移転との間の境界線は、きわどく難しいものがある。

不測の事態が起こった場合のビットコインや他の暗号通貨の元の持ち主から相続人への所有権の移転は、暗号業界ではまだ適切に定義されていない重要な問題である。

 

ビットコインの本当の所持者は誰か?

 

セキュリティ上の理由から、特定の個人のウォレットへのアクセスは、本人のみしか法的に許されていない。ログインの詳細や、それぞれのウォレットへのアクセスの方法の詳細を誰かと共有する場合は自己責任とされる

 

「対応する秘密鍵を持っている場合のみ、ビットコインを所持することが出来ます」と、NetcoinsのMichael Vogel CEOは語っている。

 

暗号のエコシステムにおけるセキュリティ設計は、暗号を利用する者の資産を守ることに重きが置かれている一方で、所持者が死亡した場合や、資格剥奪されるなどした場合に、保管されている貴重品が失われてしまうというリスクがある。

オンライン・ウォレットは、基本的に分散型プラットフォームに置かれている。これは、言い換えれば、そういったプラットフォーム自体は、特定の個人やグループによって所有されておらずコントロールされていないということを示している。つまり、最終的には、個人のアカウントに属している鍵にアクセス不能になった場合は、Eメールへのログイン時を含み、個人の所有物が誰にも見つけることが出来ない巨大な空間にポツリと存在し続けることになり、永遠に行方不明になってしまうことを意味している。

ピースの多いパズル

 

Empowered Law PLLCのPamela Morgan氏は、自身の書いた記事の中で、手続きがかなり複雑になる点を指摘しているが、彼女自身は既に自分の死後であっても、暗号化された資産のセキュリティを強化していると語っている―

 

弊社は、所有者が生きていて元気な間は、個人が完璧にコントロールできるシステムを開発していますが、緊急の場合―例えば、所有者が死亡した場合、昏睡状態に陥った場合、外傷性脳損傷などを負った場合などは、例外的に分割制御とアクセスが出来るようなサービスを提供してます。ハードウェア、ソフトウェア、プロセス・コントロール、そして契約、これらを組み合わせることで、弊社はユーザーフレンドリーな形でこのプランを提供し、これは遺言執行者、管財人、または弁護士のいずれかによって、来る時が来た場合に実行されます。プランはいつでも変更することが可能ですし、より大掛かりな遺言や、信託契約書に組み込むことも可能ですし、単体で機能させることも可能です。

 

他の可能なソリューション

 

Michael Vogel氏は、暗号通貨のエコシステムにおいては、ビットコインが失われることは日常的なシナリオであると語る。Vogel氏曰く、ビットコインが失われることで、最終的にはビットコイン・ソサイエティに回収されるため、つまるところ、他の存在するビットコインの価値を少しだけ上げる形になるのだという。

また、かなり骨を折れば回収出来る可能性はあるとしながらも、亡くなった親族からビットコインを回収することがいかに難しいかについて言及している―

 

亡くなった親族からビットコインを回収するのは困難か、或いは不可能に近いと思われます。ビットコインが大手取引所に預けられていた場合や、第三者の手によって管理されていた場合は、不動産弁護士などをあたって、あなたが新たなアカウントの所有者であることを証明できれば可能かもしれません。

対応する秘密鍵を持っている場合のみ、ビットコインを所有することが出来ます。したがって、最も実用的な方法としては、遺言書に秘密鍵を書き留めておくか、秘密鍵の半分を弁護士に預け、残り半分を遺言執行者に預けておくことが一番良いかと思われます。これはデジタル化されたものであれば、ウェブサイトのパスワードなど、自分の死語誰かに言い伝えておきたいもの全てに当てはまります。

 

最後に、Vogel氏は、所有者が生前に遺言を認められなかった際に、文字通りの”デッドマン装置”として駆動し、自動的にビットコインを残された遺族へと手渡すスマートコントラクトのような自動化されたシステムが今後生まれる可能性についても言及している。

参考URL: https://jp.cointelegraph.com/news/where-will-a-dead-mans-bitcoins-goJP/jp