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ディズニーによって作られたブロックチェーン、「Dragonchain」

 

今年の3月、ディズニー本社がブロックチェーン人材の求人を出していたことが一部メディアで報道されていたが、今回ついにディズニーが作ったブロックチェーン「Dragonchain (ドラゴンチェーン)」の概要がお披露目されることとなった。

 

Dragonchainプラットフォームは、プライベートとパブリックのハイブリッドブロックチェーンで簡単にビジネスに統合することができ、データ管理、複数通貨、5秒間で生成されるブロックなどが可能だと述べられている。

 

このプラットフォームは10月2日にリリースされ、「小さいけれどイケているブロックチェーンのチーム」によって開発されており、現在15ページに及ぶDragonchainの概要が公開されている。分散型台帳に不慣れな人のための開発サービスや、デフォルトデータ保護、他のブロックチェーンとの相互運用性、そして複数通貨のサポートなどが含まれている。

 

ビットコインはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を信用を必要としない環境を築くためのコンセンサスメカニズムとして使用している。Dragonchainでは「プルーフ(証明)」は存在せず、ユーザーコンセンサスの問題について選択肢を持つことができる。

 

Dragonchainのドキュメントでは下記のように説明されている。
「この構造において「プルーフ」はブロックチェーンに合わせて実装される。完全なプライベートブロックチェーンでトラストを必要するものでよい場合もあれば、部分的にプルーフ・オブ・ワークを採用する場合もある。」

 

概要の中ではトラスト、PoW、PoS (プルーフ・オブ・ステーク)、その他のアルゴリズムの4つが言及されており、ビジネスのニーズに合わせて設計することができると述べられている。

 

類似のフレームワークと相互運用性がカギ

 

ディズニーは修正されたApache2オープンソースライセンスを用いてブロックチェーンプロトコルをリリースした。そのフレームワークは多くのブロックチェーンの原型と似ており、タイムスタンプやブロックID、ハッシングブロック、PoW/PoS機能、そしてデジタル署名などの特徴がある。

 

このアプリケーションはディズニー発行するアセットのトレードや提携サービスでのトークン発行、そしてビットコインのような既存の暗号通貨の処理を行うことができる。一般的な業務におけるユースケースを除いて、Dragonchainの機能を反映させたアプリケーションはまだない。

 

Dragonchainのマルチ通貨指向はもしかしたら一番興味深い側面かもしれない。ディズニーがビットコインとの相互運用性を持った「ミッキーマウスコイン」を発行するのは大いにありえることだ。さらに、同社はディズニーリゾートの来訪者に対するロイヤルティを創り出すことができるかもしれない。つまり、ディズニーはテーマパーク内のファストレーンにブロックチェーンプログラムベースの機能をつけ、乗車時間を監視することでより効率的なプロセスを創り出すことができるかもしれない。

 

ミッキーマウスコインはビットコインとの互換性とともに実現し得る

 

ドキュメントの中でDragonchainの実装は現段階ではビットコインをベースする可能性が高いと述べられているため、ビットコインの相互運用性はDragonchainにとって不可欠なものである。

 

「例えば、ビットコインの暗号技術をプライベート通貨の中で利用するとKeepKey、Trezor、Ledgerのようなハードウェアウォレットの透明性のある使用が可能になり、また、Counterpartyのようなトークン化もブロックチェーンの中で行えるようになる。」と述べれらている。

 

Dragonchainのゴールは、だれでも簡単にブロックチェーンの利用ができるようにすることだ。このプラットフォームは時に応じて新たな基準をソフトウェアプロトコルに取り入れられるようにしているようで、W3Cブロックチェーンコミュニティグループの標準化プロセスにも従おうとしている。

 

現在同社がブロックチェーンで何をしようとしているのかは分かっていないが、ディズニーがブロックチェーンの未来への準備ができていることは確かだろう。

参考URL:https://www.coin-portal.net/2016/11/06/14478/